2020年09月27日

生意気だったから

何処の業界でも戦前の職人の世界は人権、人格否定の世界でした。先輩なら後輩を優しく指導するなんて綺麗事は全く無かった時代でした。若い職人さんは仕事のコツを教えて貰う為に酒を飲ませるのは普通の事だったようですし、少し生意気な事を言うと仕事で意地悪をされた話です。縁無し畳の仕事で仕上がり寸法から一分(3ミリ)か五厘(1.5ミリ)で折り曲げるかは職人の腕によります。五厘で仕上げをされたら一分の仕事は負けます。並べて敷かれたら一分の縁無し畳は膨れた様に見えるのです。「生意気だったから、キツク巻いてやったよ、やっこさん、べそをかいてたよ」 自分もわざわざ大変な仕事をして意地悪する事もないのに先輩の意地なのか?自分も意地悪されて来たからか? でも手直しするなら五厘で引ききれる腕がいるので、仕事での意地悪は己の力量を感じさせられて、泣きべそをかいて、若い職人さんは上手になったのです。
posted by 四代目 at 23:10| Comment(0) | 職人の本音
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